池辺晋一郎さん(15)が母校で講演
我が国音楽界第一人者の池辺晋一郎さん(15)が11月16日(水)午後、母校1、2年生640人を前に講演されました。
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体育館に集まった生徒たちに拍手で迎えられた池辺さんは、昨日生徒の皆さんに配られた
『進路部通信』18号掲載の池辺さん寄稿(同窓会ホームページ11月16日掲載と内容が重複しないよう、今日は音楽家、広く言えば芸術家という立場でいつも感じていることを皆さんに伝えたい、と切り出されました。
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先ずは、ピアノでモーツアルトの曲の一節を弾きながら、それを例に音には引力も意思もある、作曲家は自分の考えを主張する音と対話しながら粘り強く曲を仕上げていくもので、これは異なった立場、意見を乗り越える人生そのものとも言える、と語りかけました。
そして、感性を磨くことの大切さについて触れ、人間の感性は普遍的なもので、あらゆる人種、民族でも普遍的なものには共感するもの、芸術はそれで成り立っている。皆さんは今それを実感する大切な時期と思う。自分も新宿高校で学び、感じてきたからこそ今があると思っている、と話されました。
最後に、自分はことあるごとに「自分の音楽人生の原点は新宿高校」と言い続けているが、皆さんにも同じ思いを持つときが必ず来る。時代と環境で姿形は変わっているが新宿高校の本質は変わっていない、皆さんも新宿高校の3年間で後の人生に大切なことを得て欲しいし、得るに違いないと確信している、と締めくくられました。
質疑では、合唱コンクール課題曲を池辺さんが作曲した詞の感想に質問が集中しました。池辺さんは、非常に清々しい詞であり、もとよりプロではないけど、正直で素直な詞と感じたと感想を述べられました。
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このあと、同窓会事務局で作詞者の3年生朝倉環さんと記念写真を撮影。
その後、7階音楽室で現役管弦楽部の練習に足を運んでひと時の交流と記念写真撮影など、母校との絆を改めて確かめ合う有意義な半日を過ごされました。
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指揮をする池辺さん
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現役管弦楽部と記念撮影