母校で馬場さん(15)が特別授業
馬場悠男さん(15回 人類学者 国立科学博物館名誉研究員 医学博士)が母校でゲストティーチャ―を務めました。
終業式を翌々日に控えた2018年7月12日(木)午後、馬場悠男さん(15回 人類学者 国立科学博物館名誉研究員 医学博士)が、母校生活指導部セーフティ教室の依頼を受けて、1年生、2年生、それぞれ320名を対象に、「熱中症予防対策と人類進化」と題して特別授業を行いました。
馬場さんは、近年大きな健康上のリスクとなっている「熱中症」の発症メカニズム、罹ったときの対処法、治療法などを環境庁の資料を使いながら、自身の熱帯での調査体験を交えて説明した後、人類学者からの視点で以下の通り述べた。
熱中症は人類が安全で食物豊富な日陰の森を出て、多くのリスクが待ち構える灼熱の草原に進出した400万年前からの宿命。人類は、ラクダやウマのように暑熱環境に十分に適応しているわけではない。
現代人の中では、熱帯のケニアやインドネシアの人びとは、少しずつしか汗をかかないので水分不足になりにくく、しかも昼間に激しい活動はしない。日本人は体質的には暑さに弱く、大量に汗をかいて水分不足になりやすく、しかも仕事やスポーツにがんばってしまう。そのことを認識したうえで、ひとことで言えば「無理をしない」と述べて、講義を締めくくった。
担当の先生から馬場さん紹介
講演スライド
講演の様子